2015年12月5日土曜日

大雨と停電と私

100年に一度の大雨らしい、ここチェンナイ。
Diwali の頃から降り続いている雨が、今週ついにトドメの追い討ちをかけたのだ。
日曜日の夜から降り続いた雨は、あっという間に街中を水没させてしまった。
筆者の住むアパートは、前回の大雨の時と違って水没することはなかったのだが、周辺の道路はもはや川も同然。
部屋の窓から見える景色はまさにニュース映像そのものだ。
↑写真は筆者のアパート周辺の様子

それまで頻繁に飛び交っていた忘年会の連絡メールが ピタッ と止まった。
しばらくしてメールの内容が安否確認に変わり始めた。
幸いにして筆者のアパートは携帯もネットも繋がったので、天気予報やメールをチェックしながら様子を見守ったのだった。
すると空港閉鎖や工場浸水のニュース、帰宅難民となった日本人仲間、音信不通のインド人仲間など、様子がどんどん悪化していく。
そして水曜日、自宅待機中の筆者のアパートが停電になった。
UPSバッテリーでバックアップされているので、照明などの電源はカバーされるのだが、エアコンや冷蔵庫などは電気が止まる。
そもそも停電は時々あることなので、あまり気にはしないのだが、なかなか復旧しない。夜になっても復旧しない。
とりあえずバックアップで普通に暮らせるし、ネットも繋がっている。
翌朝しばらくするとUPSがピーピー鳴り出した。そう、LowBatteryの合図なのだ。
「ああ、もうダメか」
そう諦めかけていたところ、やっぱりダメだった。
残りのバッテリーでネット検索し、避難先のホテルを予約した。
「よし、これでとりあえずしのごう」
相棒のS君が水たまりの道をホテルへと送ってくれた。
「あっ、ダメですねぇ、向こうに渡れません」
「えっ?」
予約したホテルへはAdyar川を渡らねばならないが、どの橋も通行止めなのだ。
「じゃあ、歩いていくわー」
橋の近くまで行ってみて見ると、川の水は橋の上まで溢れている。
「うー、残念」
仕方なく電気の温かみの無いアパートに引き上げたのだ。
漆黒の暗闇に包まれたアパートで一夜を過ごすことになった。
筆者のアパートだけではない。見渡す街中が暗闇なのだ。
幸いにも真夏ではないので、エアコンがなくても寝ることはできる。

さて翌日、電気の無い私は、充電とネット接続を求めて職場へと向かった。
職場では電源とネット環境が復旧していたのだ。
職場で会う人は皆「いやー大変だった、100年に一度のことだから」と。
家に帰ってみたものの、やっぱり復旧していない。
「もうしばらくダメだろうなあ」
と腹をくくるか、違うホテルに避難するか、悩みどころだ。

冷蔵庫の電源を失ってからどのくらいたつだろうか。
もはやビールを冷やす手段もなくなった。
「あっ、そうだ!」
チェンナイに来てからこの日初めて「焼酎のお湯割」を飲んだ。
暗い部屋をLEDライトで照らしながらお湯割を飲んだ。
このLEDライトも先日の日本帰国の際にお土産として(1つ100円のものを5つ)買ってきたものだ。
まさかお土産にする前に自分で使うなんて。
そんな時ふと電気が点いた。
「おお~、WAOー」
あちらこちらから歓声が上がる。
この日はお湯割が効いてよく眠れた。

さて、ネット接続も復旧した今、こうして一週間を振り返っている。
「えっ! もう一週間?」
まだまだ波乱が続きそうなここチェンナイ。予断を許さない。

ヨーロッパツアー後半「帰れるのか?みっちゃん」はまた次回お伝えしよう。

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

貴重な経験ですね。もはや地元民。